打吹山の椿
中村です。
先月から打吹山に何度も登り、打吹山に登る=ウツブく、という新しい名詞活用法が生まれました。「ちょっとウツブいてきます!」と制作モードの久保田さんに伝え、今日は久々に打吹山へ。
打吹山に登ると思わずツバキを観察してしまいます。実は、ツバキの北限は青森。わたしの活動拠点の北海道には自生していないので、あまりまじまじと観察したことがありません。葉の色艶、幹のなめらかさなど、見慣れず、とても興味深いです。
それぞれの個体の違いも面白くて、一本一本よく見ながら登るようにしています。いまは春の開花に向けて枝の先に蕾をつけているものが多いです。まだ小さくとんがった蕾が多いのですが、なかには、丸く膨らんでうっすら赤く色づいているものもあります。また、黒い実をつけている個体などもありました。
生えている場所ごとの小さな違いで、同じ時期の同じ椿でも、生きている速度のようなものがほんの少し違うみたいです。
先月頭、台風が来る前に長雨が2回あって、それが過ぎ去ったあとはスダジイの実がたくさん落ちていました。スダジイの北限は太平洋側は福島、日本海側は新潟だそうです。これも私は見慣れない植物です。打吹山のスダジイはとても古く、その周りはわりかし特定の植物しか生えていないので、それらが作り出す独特な雰囲気を楽しんでいます。
スダジイが実を落としたのをきっかけにするように、それ以来、いろいろな樹が次々に紅葉をはじめました。登るたびに変化があり、前回気づかなかったものに気付かされます。
素材になりそうなものを探して、あるいは買い物で、小鴨川沿いを自転車でたびたび走るのですが、いろんな山を眺めてみていると、打吹山の山の色と、他の山の色の違いがだんだん目立つようになってきました。
スダジイやツバキは常緑樹の仲間で、葉が色づくことはありません。背の高い木だと、、タブノキやカシも常緑です。実は、打吹山のように大きな常緑樹が多い山は最近は珍しいです。
この近隣には、外道山や水道山、四王寺山などもありますが、落葉樹、いわゆる紅葉する樹木、緑だとしてもとんがったフォルムの杉(たいてい植林)、急斜面や乾燥地に生える竹林とかが多く、今時期は全体が赤茶けた秋色に染まっています。秋は打吹山は変化が少なく、もしかしたら地味かもしれません。それでも、それが古い森の証です。
遠くからでも近くからでも楽しめる打吹山、街の近くにこんな山があるなんて、やっぱりいいなあ。
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