長谷寺巡り

 アーティストの久保田沙耶です。今日は中村さんと長谷寺巡りをしました。水の神様とされる十一面観世音像から、かつてリサーチをしていた諏訪の根の国信仰まで想いを馳せることができました。

 帰り道、水の神様であるヌメッとした蛇とご挨拶、中村さんが「龍神」と呟けばいつでもサァッと風が吹く。

『もし言霊というものがあるならば、自然の景色にも魂があってもいい筈だ。それはたとえば葦手書のように、ささやかな水の流れ、草の葉末にも、言葉がかくされており、辿って行くとやがては一つの歌になる。歴史になる。そういう風に見る習慣が、いつの間にかついてしまった。これは私だけのことではあるまい。自分が今生きていることの不思議さに気づいた人々が、一様に経験している物の見方ではないかと思う。』

(『十一面観音巡礼』白洲正子著、講談社文芸文庫、2007年1月10日第22刷発行、p145)

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